「関西の大手私鉄では最後の移行です」 本業比率43.8%の老舗が社名からHDを外した真意とは?

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関西大手私鉄で最後に持株会社化したNANKAI。運輸業比率が43.8%と高い一方、不動産業が19.5%にとどまる同社にとって、沿線開発は巨大な成長余力を意味する。乗降者数がコロナ前比123%に回復したりんくうエリアのまちづくりを自ら主導。あえて「HD」を名乗らず、事業構造転換へ挑む新体制の戦略に迫る。

官民一体のまちづくり推進

4月24日より運行を開始した観光列車「GRAN 天空」(画像:南海電気鉄道)
4月24日より運行を開始した観光列車「GRAN 天空」(画像:南海電気鉄道)

 南海電気鉄道などを傘下に持つ持株会社・NANKAI(大阪市)は、泉佐野市、交通事業者や商業施設、宿泊施設、飲食店事業者、地元経済団体など計16の民間企業・団体とともに、泉佐野市りんくうエリアの「まちづくりビジョンマップ」を策定した。2026年6月18日には泉佐野市への提案会を開き、市の公認を得ている。

 このマップは、参画する各主体がそれぞれの立場から意見を持ち寄り、エリア全体で共有する将来像をまとめたものだ。今後は、官民が一体となってまちづくりを進めるための共通の指針として活用していくとしている。

 同エリアは関西国際空港の対岸に位置し、「りんくうプレミアム・アウトレット」などの商業施設や宿泊施設が集まる来訪拠点となっている。一方で、これまでは各企業や団体がそれぞれ独立して活動してきた。来訪者が特定の施設だけを訪れて帰ることも多かったため、今回のマップでは、参画者同士が連携してエリアの特性を生かした取り組みを進め、エリア内の回遊性を高めるとしている。

 南海電気鉄道によると、同エリアの主要駅であるりんくうタウン駅の2025年度の年間乗降者数は約558万人だった。隣の関西空港駅の約1704万人と比べるとまだ少ないものの、コロナ禍前の2019年度比では123%まで回復しており、この伸びを生かすことで、同マップなどを通じてさらなる来訪動機の創出が期待できるとしている。

 来訪動機の創出は南海沿線の活性化につながり、幅広い事業へ広がる可能性がある。そのため、NANKAIがこうした官民一体の取り組みに積極的に関わることは、自然な流れといえる。気になったのは、その中心となる主体が「NANKAI」という、モビリティ業界や関西以外ではあまりなじみのない社名だったことだ。

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