トヨタのKINTO 日本では「高すぎる」の声も、東南アジア市場で大注目のワケ

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トヨタのグループ会社が運営する自動車のサブスクリプションサービス「KINTO」。KINTOは国内だけでなく、東南アジア市場でもそのポテンシャルを現在発揮している。

シンガポールに強力なライバル

東南アジアで「自家用車サブスクサービスに興味がある」と回答した調査結果。ベトナムが68%と高く、サブスクに興味があると回答した消費者の78%が55歳以下(画像:Deloitte)
東南アジアで「自家用車サブスクサービスに興味がある」と回答した調査結果。ベトナムが68%と高く、サブスクに興味があると回答した消費者の78%が55歳以下(画像:Deloitte)

 また上記の調査結果を裏付けるように、デロイトのグローバル自動車消費者調査では、東南アジアのなかで

「自家用車のサブスクサービスに興味がある」

と回答した消費者が最も多かった国はベトナムだった。

 ベトナムにはいまだKINTOは進出しておらず、東南アジア市場におけるKINTOのポテンシャルの高さが伺える。また、サブスクに興味がある消費者の78%が55歳以下となっており、今後どのようにアプローチしていくかもKINTOにとっては重要だ。

 KINTOと同様のサービスを提供している競合他社の存在も大きい。「Carro」は東南アジアを代表するユニコーン企業(評価額が10億ドル以上、設立10年以内の非上場のベンチャー企業)のひとつで、シンガポールに拠点を置く中古自動車販売と自家用車のサブスクを提供する会社だ。

 2021年には「シンガポールで最も急成長している企業」ランキングで1位に選ばれ、「アジア太平洋地域の急成長企業」ランキングでも1位を獲得した。トヨタ車だけを提供するKINTOと違い、CARROは日本車をはじめ、主要な自動車メーカーの車種から選ぶことができ、EV車のサブスクにも対応している。

 KINTOも5月12日より、日本でトヨタの新型BEV(バッテリー電気自動車)「bZ4X」を、個人向けのサブスクの対象としている。

「bZ4X専用プラン」では、KINTOの通常プランに含まれている自動車保険やメンテナンス・車検代、自動車税、諸経費などのほかにも、契約期間中のバッテリー性能(10年20万km・電池容量70%)の保証やコネクティッドサービスなどが含まれている。

 今後、東南アジア各国のKINTOでもスライド展開されることが予想される。EV車へシフトしていく自動車業界の世界的な流れに乗る形で、今後はKINTOでもEV車のラインアップの充実が期待される。

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