トヨタのKINTO 日本では「高すぎる」の声も、東南アジア市場で大注目のワケ

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トヨタのグループ会社が運営する自動車のサブスクリプションサービス「KINTO」。KINTOは国内だけでなく、東南アジア市場でもそのポテンシャルを現在発揮している。

東南アジアにおけるKINTOの現状

KINTOタイランドのオリジナルプラン。中古のレクサス車を1年間サブスクで利用できる(画像:KINTOタイランド)
KINTOタイランドのオリジナルプラン。中古のレクサス車を1年間サブスクで利用できる(画像:KINTOタイランド)

 KINTOは2019年に日本でサービスを開始してからすぐ、海外にも展開を始めた。

 東南アジアでまずサービスを提供したのは、タイのトヨタモータータイランド社だ。タイはアジア新興国のなかで最も速いペースで少子高齢化が進んでおり、中長期的な大きな市場の伸びが期待できない。また価値観が多様化しており、新車のサブスクも需要があるのではという期待から東南アジアで最初に導入された。

 KINTOタイランドは2020年にサービス提供を始めてから、新車を3~4年契約で利用可能な「KINTO One」をはじめ、

・品質保証されたトヨタの中古車のサブスク「KINTO One Value」
・契約期間中に複数車に乗り換えできる「KINTO FLEX」
・カーシェアリングの「KINTO SHARE」

などのサービスを展開してきた。

 現在では、タイだけではなくインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールでサービスを展開しており、なかには国内のニーズに合わせた独自プランを展開している国もある。

東南アジアではメジャーなサブスク

ASEAN諸国の共有モビリティ市場のトレンドトップ10のなかで、自動車のサブスクビジネスモデルはトップ2の位置づけ。トップ1はEV自動車(画像:Research and Markets)
ASEAN諸国の共有モビリティ市場のトレンドトップ10のなかで、自動車のサブスクビジネスモデルはトップ2の位置づけ。トップ1はEV自動車(画像:Research and Markets)

 2021年に発表された東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要な共有モビリティ市場のトレンド調査では、ASEAN諸国での今後のモビリティ市場のトレンドトップ10のなかで、

「所有」から「利用」

へとシフトする車のサブスクのビジネスモデルが、トップ2に位置づけされている。調査報告書には、KINTOの自家用車のサブスクについても触れられている。

 報告書によると、ASEAN諸国の一部地域では依然として自家用車の保有率は高いが、自家用車のサブスクやカーシェアリング市場はASEAN諸国ではまだ初期の段階で、今後数年で成長すると予測されている。

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