もはや異次元! なぜ東京23区の新築戸建が「8953万円」に達したのか? 住宅費上昇で変わる住まいと移動の選択肢、マイカー中心の暮らしは変化していくのか
住宅高騰が生む移動の地殻変動。首都圏の新築戸建平均価格が5078万円に達し、東京23区では前年同月比プラス18.6%と高騰が続く。住居費に圧迫された実需層の郊外シフトは、車の所有から定額サービスへの移行を促す。住まいと移動を合わせた暮らしの総コストから、新市場の行方を追う。
都心高騰が迫る移動の選択

首都圏の新築戸建市場では、大きな価格変化が続いている。アットホーム(東京都大田区)の最新調査(2026年5月度)によると、首都圏全体の平均価格は5078万円に達し、前月比で1.0%、前年同月比で6.0%上昇した。
どこに住むかという選択は、そのまま移動のあり方にも直結する。都心への近さという利便性を高い住居費で得るのか、それとも住居費を抑える代わりに日々の移動時間や乗り物への依存を受け入れるのか。最新データは、こうした重い選択を迫られる市場の姿を示している。
市場のなかで特に大きな動きを見せているのが、東京23区の価格上昇だ。同エリアの新築戸建平均価格は8953万円となり、前月比プラス4.0%、前年同月比プラス18.6%という大幅な上昇を記録した。2017年1月以降の最高額更新は9か月連続に及ぶ。
背景にあるのは、物件価格帯の明確な二極化である。平均価格を下回る7000万円台以下の物件割合は前年同月比で15.4ポイント減少する一方、9000万円台以上の物件割合は13.5ポイント増加した。都心で働く人が住まいと職場を近づけ、移動負担を最小限に抑える環境を得るには、これまで以上に大きな資金が必要になっている。
都市部で暮らす選択は、高い住宅費の支払いを前提とするものへと変貌した。住まいの選択と移動のあり方が、よりわかち難く結びつく市場環境になっているのだ。