電気バスがパリで大炎上事故! 日々高まるEVへの不安、「容易に消火ができない」弱点をどう克服するのか

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パリ交通公団が導入している電気バスが、相次いで火災事故を起こした。EV普及の妨げにならないのか。

EVは「容易に消火ができない」

シボレーブランドの「ボルトEV」(画像:General Motors)
シボレーブランドの「ボルトEV」(画像:General Motors)

 火をいきなり噴くことはないが、利用者が気づかないうちにリチウムイオン電池は損傷し、発熱・発火へ至る可能性がある。航空会社は預け入れ荷物のリチウムイオン電池を禁止し、手荷物では容量160Whまでと厳しく制限している。

 その理由は、2010年9月にリチウムイオン電池が発火してUPS航空6便墜落事故などが起きたためだ。その後も、客室でノートPCが発火して緊急着陸した事故も起きている。

 もちろん、電気自動車でも同様の危険は避けられない。日本ではまだ目立った事例はないが、海外では衝突事故が原因の発火、充電中の発火も報告がある。米ゼネラルモーターズ車のシボレーブランド「ボルトEV」は、充電中に発火した事例が複数報告され、リコールが3回も実施されている。

 全米防火協会(NFPA)と米国家運輸安全委員会(NTSB)の報告を検証した『日経ものづくり』2021年10月1日付の記事によれば、電気自動車の事故では従来のガソリン車に比べて事故処理が困難なことが指摘されている。ようは、

「容易に消火ができない」

のだ。

 記事では、2021年に米国で発生したテスラ「モデルS」が木に衝突して炎上した事故を紹介している。この事故では消火に膨大な量の水が必要だった。

「具体的には約2万8000ガロン(10万5991l)もの水が必要だったのだ。山火事を消すのに使う世界最大級の消防用航空機で運べる水が約2万ガロン(7万5708l)なので、その量の多さを推し量れる」

 火が消えない理由はリチウムイオン電池の仕組みにある。外部からの衝撃でショートが起こると、内部で発熱が繰り返される熱暴走が起きる。内部でエネルギーが発生する限りは、一度鎮火しても再び熱暴走が始まるのである。

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