やっぱりトヨタの「EV戦略」は間違っていなかった…価格競争が世界で激化するなか、「bZ4X」を実質220万円に変える東京発の市場づくり
東京都がEV補助金を最大130万円に拡充し、国との併用で最大260万円の支援が実現した。トヨタ・bZ4Xが実質半値以下となる劇的な価格破壊は、日本のEVシェアを過去最高の3.5%から世界の3割水準へ押し上げる起爆剤となるか。補助金復活でV字回復を遂げたドイツの先例から、都市型新経済圏の行方を占う。
政策主導による市場創出と社会変革

東京都は2026年5月29日、中東情勢によるエネルギー価格の上昇への対応策などを盛り込んだ、542億円規模の令和8年度補正予算案を発表した。このうち173億円が先駆的な施策に充てられ、ゼロエミッションビークル(ZEV)普及促進事業では83億円を計上。車両購入への補助金上限額が引き上げられる。
都の補助額は最大130万円となり、国の補助金と合わせることで最大260万円の支援を受けられる。対象車種によっては購入時の負担が大きく下がり、トヨタのbZ4Xでは実質価格が半額以下になる場合もある。今回の施策は、電気自動車(EV)購入を後押しするだけでなく、走行する蓄電池を都市の機能に生かす取り組みを広げる狙いがある。
日本のEV普及を新たな成長路線へ乗せる市場づくりが期待される一方、先行する欧州では、補助金を一時停止したドイツで販売台数が大きく落ち込み、その後、制度再開によって市場が回復した例もある。政策による支援がEV市場の成長を支える構図は、世界各地で共通している。
新制度によって都市部でのEV普及の速度はどのように変わり、自動車産業の領域はどこまで広がるのか。ドイツの事例を踏まえ、購入補助金が自動車市場にもたらす変化の流れと、充電設備など周辺分野への広がりを詳しく見ていこう。