西鉄グループ営業収益の3分の1を占める「物流部門」、なぜ本体に残り続けるのか?――競合とは真逆を行く特殊な組織形態
連結営業収益4742億円の約3分の1にあたる1530億円を稼ぎ出す西日本鉄道の物流事業。東京を拠点に「別会社」の如く独立して機能しながらも、本体の一部門に留まり続けるのはなぜか。成田空港でEV地上支援を開始した子会社との対比から、競合の電鉄系とは一線を画す西鉄独自の「実質2社体制」の深層に迫る。
為替や国際情勢の不安定要素

ではなぜ、これほど大きな営業収益を上げ、しかも福岡の本社からある程度独立した動きを見せる国際物流事業本部が、
「分社化されず一部門のまま残っている」
のか。これは業界の中でも説明しにくい点のひとつである。ちなみに、国内フォワーダー大手5社のうち、同じ電鉄系では、近鉄グループの近鉄エクスプレスと、阪急阪神グループの阪神阪急エクスプレスは、いずれも鉄道会社からわかれた別会社として運営されている。
気になるのは国際物流事業本部の営業利益である。2026年3月期は、不動産の116億円、レジャー・サービスの64億円に対し、物流は前期比55%増となったものの61億円にとどまっており、利益率が高いとはいえない。
同じ期では、為替変動による円換算額の増加や輸出入取扱量の増加により増収増益となったが、裏を返せば、為替などの海外要因に影響を受けやすく、国内の運輸や不動産に比べて安定性に欠ける面がある事業でもある。西日本鉄道の「実質2社体制」は、
・変動の大きいが規模の大きい事業
・比較的安定した事業
を同じ会社の中で支える形とも見える。ただ、近鉄エクスプレスや阪神阪急エクスプレスが別会社として動いていることを考えると、あえて分社化しない理由はわかりにくい。メーカーなどでは、同じ会社の中で事業ごとに独立性を持たせるカンパニー制を取る例もあるが、西日本鉄道の「実質2社体制」は、それとも少し異なる形に見える。
前述の西鉄エアサービスは子会社として順調に成長しているだけに、この謎は簡単には解けそうにない。