なぜ企業はあえて“1路線駅”を選ぶのか? 勝どき「空室率4~5%台」へ急低下、都心枯渇が変える需要構造とは

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都心ハブ駅の空室率が0.56%まで急降下し、一都三県の55.3%の駅で2%未満となるなどオフィスの枯渇が深刻だ。需要が1路線駅や湾岸部へ滲み出すなか、企業の足元を支えるのがシェアサイクルや自動運転といった移動サービスである。不動産とモビリティの融合が、街とビジネスの地殻変動を促している。

拠点選びの変化と移動の手立て

筑波大学不動産・空間計量研究室との共同によるオフィス市場動向調査(画像:三幸エステート)
筑波大学不動産・空間計量研究室との共同によるオフィス市場動向調査(画像:三幸エステート)

 企業のオフィス選びの基準が変わりつつある。人材確保や意欲向上のため、好立地で質の高い仕事場を求める声は根強い。現に2026年竣工予定の大規模ビルは約9割がテナント内定済みで、2027年から2028年にかけて建つ予定のビルでも入居が進む。条件に合う物件の確保が難しくなるなか、複数路線にこだわらず、1路線駅の周辺を条件次第で有力な選択肢とする企業が増えてきた。

 1路線駅への注目が高まるにつれ、駅から仕事場までの最後の移動をどう組み立てるかが問われる。徒歩圏外であっても、シェアサイクルや電動の小型モビリティ、企業送迎バスなどを活用して移動のストレスを和らげる工夫が広がっている。昨今は企業の環境配慮も重視されており、移動手段に電気自動車(EV)などを取り入れ、通勤時の二酸化炭素排出を減らす試みもみられる。拠点の選択が、企業の環境への取り組みと深く結びつき始めているのだ。

 こうした動きに合わせ、移動ビジネスの担い手も、個人向けの車販売から法人の通勤課題を解決するサービスへと活動の幅を広げている。一律の定期券支給から、シェアサイクルやオンデマンド交通の利用枠を柔軟に付与する支援へと、会社の手当ても変化している。ビル開発企業と連携し、敷地内に専用の乗り場をあらかじめ備える物件も増え、立地の不利を新しい移動サービスの組み合わせで乗り越える構造ができつつある。

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