なぜ広島電鉄は「40億円」の投資を拒んだのか? ついに全国交通系ICに対応、地方路線バス会社の希望となりつつあるワケ

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更新費40億円超の壁に直面する地方交通に、革命が起きている。広島電鉄が主導する日本初のクラウド型決済「モビリーデイズ」は、固定費を劇的に削減し、2026年7月には全国交通系ICにも正式対応。国の補助金方針をも揺るがすこの新技術は、地方路線バスの経営効率化とMaaSの未来を拓く起爆剤となるか。

対応拡大と2回タッチへの統一

MOBIRY DAYSのウェブサイト(画像:MOBIRY DAYS)
MOBIRY DAYSのウェブサイト(画像:MOBIRY DAYS)

 新システムは、2023年10月にMOBIRY DAYSと名付けられた。2024年7月に高速バスで先行導入された後、同年9月には広島電鉄全線へ広がり、2025年から2026年にかけて広島バス、広島交通、JRバス中国など地域の主要事業者にも順次導入された。利用者はスマートフォンアプリのQRコードや専用ICカードを使って乗車でき、2025年8月からは広島電鉄などの車内での現金チャージにも対応している。

 当初は未定だった全国交通系ICカードへの対応も進んだ。2025年3月のPASPY終了後は、車内に設置した簡易端末による限定的な利用にとどまっていたが、2026年7月1日からはMOBIRY DAYSリーダーで正式に利用できるようになることが決まった。

 広島電鉄によると、2026年7月1日からICOCAなどの交通系ICカードはMOBIRY DAYSと同じく、乗車時と降車時にリーダーへ2回タッチする方式へ変更される。また、同日からWAONにも対応する。これにより、広島電鉄の電車では交通系ICカードやWAONの利用者もすべての扉から乗り降りできるようになり、バスでは整理券を取る必要がなくなる。

 この変更によって、PASPY終了後の課題となっていた

「乗車時に整理券を受け取り、降車時に簡易端末へタッチし、運転士が運賃を確認する」

という手順はなくなる。利用方法は乗車時と降車時の2回タッチに統一される。なお、同日からWAONが利用可能になる一方で、PiTaPaの取り扱いは6月30日で終了する。また、広島バスなど一部の会社では運賃箱の仕様により車内チャージができないなどの違いもある。

 2回タッチ方式への移行は、利用者の使いやすさを高めるだけではない。事業者側にとっても、利用者の移動経路を正確なデータとして把握できる利点がある。深刻化する乗務員不足への対応として、利用実態に基づく路線の見直しやダイヤ改正を進めやすくなる。また、広島電鉄の全扉乗降やバスの整理券廃止によって停留所での停車時間が短くなり、定時運行の向上や運行費用の抑制にもつながる。

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