「ハイブリッド車は現実解だ」 トヨタ収益50兆円突破――北米市場で際立つ独走と車種戦略の核心とは
営業収益50兆円で過去最高を更新したトヨタだが、営業益は1兆円減の3.8兆円となった。米追加関税1.4兆円の影響を受けつつも、北米HV販売293万台で伸長。車種戦略と20年の蓄積が競争力差を広げている。
原油高を追い風としたHVへの布石

トランプ政権はエンジン車への回帰を政策としているが、足元ではイラン情勢の緊張を背景にガソリン価格が上がっている。WTI原油価格は2026年2月末以降100ドル前後で推移しており、燃費の良いHVには追い風となる状況である。
こうしたなかでトヨタは2025年11月、米国でのHV需要拡大に対応するため、総額9.1億ドルの投資を行うと発表した。これはいわゆる80兆円対米投資の一部にあたるが、米国市場の需要増を踏まえれば必要な投資といえる。
ホンダもまた、HVが北米で競争力を持つことを認めており、今後は大型HVモデルに加え、市場の動きを見ながらラインナップを広げる方針を示している。
現時点で米国では10人のうち
「1.4人」
程度しかHVを選んでおらず、市場としてはまだ小さい位置にある。現在の課題は認知を広げ、より多くの利用者にHVという選択肢を届けることにある。
また、2025年度にトヨタが負担した1.4兆円は車両価格の安定にもつながっており、HV市場拡大に向けた先行的な負担と見ることもできる。今後、約1200万台規模のエンジン車ユーザーがHVへ移るようであれば、この投資負担は結果的に小さなものになる可能性がある。