「ハイブリッド車は現実解だ」 トヨタ収益50兆円突破――北米市場で際立つ独走と車種戦略の核心とは
営業収益50兆円で過去最高を更新したトヨタだが、営業益は1兆円減の3.8兆円となった。米追加関税1.4兆円の影響を受けつつも、北米HV販売293万台で伸長。車種戦略と20年の蓄積が競争力差を広げている。
20年磨き続けた「現実解」の真価

トヨタの強みは、HVの車種の多さだけではない。
初代プリウスを日本に続いて2000年に米国市場へ投入して以降、20年以上にわたりHV市場を育ててきた点にある。リフトバック形状となった2代目プリウスは、2004年に北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。さらに2023年登場の5代目は、発売から20年を経た2024年に同賞を再び受賞し、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーも獲得した。
米国市場で20年以上続くトヨタHVだが、大きな転機となったのは2020年前後に進んだ脱炭素の流れの加速である。多くの自動車メーカーは、この流れを受けて電気自動車(EV)に開発資源を集中させてきた。しかし実際の市場では、充電網の整備や価格の面で制約があり、消費者需要がEVへ一気に移ったわけではない。
特に米国では、長い距離を走っても不安が少なく、燃費も良くしたいという需要が根強い。HVを「EVへの移行期の技術」としてではなく、
「現実的な解」
として磨き続けてきたトヨタの戦略は、こうした市場環境と合う形になってきている。