奥羽・羽越新幹線は本当に新経済圏を作れるのか? 成功条件は「50年運行」、経済成長ありきの計画に疑念
奥羽・羽越新幹線の建設計画に注目が集まっている。実現されたら、新たな経済圏は誕生するのだろうか。
新たな経済圏は誕生するか

プロジェクトチームの資料によれば、新幹線を建設した場合・しなかった場合の2045年の1日あたりの利用者予測は次のようになっている。
●フル規格新幹線を建設しなかった場合
・秋田~青森:1万人
・山形~秋田:4000人
・新潟~山形:2万人
●フル規格新幹線を建設した場合
・秋田~青森:8万4000人
・山形~秋田:21万7000人
・新潟~山形:10万7000人
過大な需要予測にも見えるが、新幹線で日本海沿岸の地域が1本で結ばれることにより、新たな経済圏が誕生することが前提となっているようだ。
かつて、海運を利用した日本海側の交易ルートは列島の「動脈」のひとつだったが、それが再現される可能性まで盛り込んでいるのだろうか。
結局のところ
・首都圏と最短距離でつながりたいのか
・首都圏と別の経済圏を目指したいのか
どちらなのか、よく分からない。
奥羽・羽越新幹線に求められるのは、その点をまず明確にすることだ。