関光汽船、輸入貨物フェリーの「混載輸送」開始 トラック輸送と遜色ないリードタイム実現か

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関光汽船はフェリー輸送した複数荷主の輸入貨物を下関でトレーラーに混載し、東京九州フェリーで関東に一貫輸送する新サービスを開始した。CO2排出量の大幅な削減効果が見込まれる。

下関でトレーラーに混載、フェリーで関東へ

横須賀~新門司間を航行する東京九州フェリー「はまゆう」(画像:SHKライングループ)
横須賀~新門司間を航行する東京九州フェリー「はまゆう」(画像:SHKライングループ)

 SHKライングループの関光汽船(山口県下関市)は今春、中国・韓国からフェリー輸送した複数荷主の輸入貨物を下関でトレーラーに混載し、グループの「東京九州フェリー」で関東に一貫輸送する新サービスを開始した。

 グループの国内外のフェリー航路網を組み合わせた海上輸送は、CO2排出量の大幅な削減効果が見込まれるほか、昨今の物流問題である2024年問題や国際物流混乱への解決策となる。

 本サービスは、SHKライングループ内の国内外のフェリーを組み合わせた国際・国内複合一貫輸送で、中国・太倉港からのグループの「蘇州下関フェリー」の直航便、および山東省エリアから中韓のフェリーとグループの「関釜フェリー」を組み合わせた複合一貫輸送で、貨物を下関港(山口県)に集約・輸入通関する。

 下関港では複数荷主の輸入貨物をトレーラーに混載し、新門司港(福岡県)から横須賀港(神奈川県)まで運航している「東京九州フェリー」の無人航送を利用して関東に輸送。横須賀到着後は、提携倉庫に横持ちして貨物を仕分けし、関東圏の最終仕向け地に中小型トラックで配送する。

 環境対応に積極的に取り組むライフスタイル商社の豊島(愛知県名古屋市)が中国発関東向けのアパレル輸入で本サービスを活用されており、関光汽船としても今後はアパレル同様に、高速かつ高品質な輸送が求められる雑貨・精密機器等の輸送へと取扱範囲を拡大するもの。

 昨今、国際物流においては、コロナ禍によるコンテナ輸送・航空輸送の輸送遅延や運賃の高騰、また国内物流においても、2024年問題に伴う更なるドライバー不足の可能性がある等、物流業界は様々な課題に直面している。

 国際フェリー・RORO船サービスは、「海より速く、空より安い」、すなわちコンテナ船より高速で、航空輸送よりも安く輸送できる中間商品であり、かつ運航曜日および入出港時間が安定している輸送モードとして昨今ニーズが高まっている。

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