コロナ収束の試金石 「大型ジェット機」の運航再開、日本が後れを取っているワケ

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新型コロナウイルスの感染拡大から2年余り。大型ジェット機が再び旅客便として運航され始めている。活発化する海外の動きと、日本の現状について考える。

2021年秋頃から続々と運航再開

エミレーツ航空のA380とドバイ国際空港(画像:Emirates)
エミレーツ航空のA380とドバイ国際空港(画像:Emirates)

 一方、海外での航空需要は、日本よりもはるかに早く回復している。

 中東のエミレーツ航空は、約60機ものA380を保有。2022年5月現在、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイとロンドン、パリ、フランクフルト、マドリッド、チューリッヒ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、サンパウロ、シドニーなど、多くの路線でA380での運航を再開済みだ。

 特に、入国規制が緩和された国・地域の路線で、777より大型のA380での運航が増えている。

 ブリティッシュ・エアウェイズは、2021年11月からロンドンとロサンゼルス、マイアミなどの路線でA380での運航を再開。オーストラリアのカンタス航空は、2022年1月からシドニー-ロサンゼルス線で、2022年6月からロンドン線でもA380で運航予定だ。

 シンガポール航空は、シンガポール-デリー線をA380で毎日運航する。大韓航空やアシアナ航空などもA380の運航再開の動きがある。

 カタール航空も、A380での運航を既に再開している。ただ、同社はコロナ禍でしばらくA380を運航しない方針を以前発表していた。

 A380に代わる長距離路線の主力機であるA350で、機体表面の塗装劣化問題が長引いたうえ、需要回復によって運航を再開せざるを得なくなった形だ。

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