悲惨な「親子自転車の事故」防げるか? 転倒・衝突を緊急回避へ、日産の革新技術とは
日産自動車がこのたび発表した、クルマの緊急回避性能を大幅に向上させる運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション(Ground truth perception)技術」。2030年までに市販車へ順次搭載していくという新技術についてリポートする。
死亡事故の97%はヒューマンエラー
さらに市販にあたっては、安全を担保できるだけの検証も欠かせない。
浅見氏は「量産化に向けてあらゆるシーンの検証を、多量のデータを使ってシミュレーション、あるいは実走行で検証する必要がある」とした上で、さらに
「現在は処理用としてデスクトップPCを使っているが、今後はコストを下げ、消費電力を下げて、車両に搭載できるほど小型化を進める必要がある」
と今後の課題に言及した。
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国土交通省が2018年9月に公表した資料「自動車の安全確保に係る制度及び自動運転技術等の動向について」によれば、2016年のヒューマンエラーによる交通死亡事故は全体の97%にも上るという。
現状でも運転支援システムが交通事故低減に着実な効果を上げているのは明白となっており、仮に「グラウンド・トゥルース・パーセプション」が市販車に搭載されれば、大きな効果を上げることは容易に推察できる。
自動運転のレベルうんぬんを超え、事故低減へと舵(かじ)を切った日産の今後の動向に注目していきたい。