悲惨な「親子自転車の事故」防げるか? 転倒・衝突を緊急回避へ、日産の革新技術とは

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日産自動車がこのたび発表した、クルマの緊急回避性能を大幅に向上させる運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション(Ground truth perception)技術」。2030年までに市販車へ順次搭載していくという新技術についてリポートする。

相次ぐ転倒事故、衝突回避の切り札に?

子どもふたりを乗せられる「親子自転車」のイメージ(画像:写真AC)
子どもふたりを乗せられる「親子自転車」のイメージ(画像:写真AC)

 日産自動車は2022年4月、クルマの緊急回避性能を大幅に向上させる運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション(Ground truth perception)技術」を発表した。

 今までのプロパイロットの運転支援技術とは何が違うのか、また、自動運転の実現に向けてこの技術がどう関わってくるのか、公開されたデモを通して分かったことをレポートしたい。

複合的状況を回避する高性能センサー

新たな運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション」を搭載したスカイラン(画像:日産自動車)
新たな運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション」を搭載したスカイラン(画像:日産自動車)

 今回のデモで採用されていたのは、高分解能の次世代高性能LiDAR(ライダー)にカメラとレーダーを加えた高度なセンシングの組み合わせだ。

 このセンシングによって得たデータを高度にAI処理することで、周囲の空間と物体の形状を正確に補足し、発生したその変化をリアルタイムで把握。この結果、時々刻々と変化する状況をクルマが瞬時に分析することが可能となり、緊急回避操作の自動化を実現したという。

 この技術で注目すべきなのが、システムが持つ高い検知 & 制御能力だ。たとえば前方の渋滞や路上の障害物などを遠方から検知すると、単に制動をかけて停止するだけでなく、必要なら車線変更まで自動で行う。

 つまり、システムが障害物を発見して制動では避けきれないと判断すると、周辺の状況を確認した上で自動的にハンドル操舵による回避行動に移ることができるのだ。

 その能力の高さを証明するために公開されたデモでは、2パターンの事例がテストコース上で再現された。

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