「優しさか、単なる混雑対策か」京王2000系、5号車の座席を“あえて”半分撤去した理由とは?

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利用者数はピーク比87%にとどまる一方、収入は814億円とほぼ回復。通勤依存モデルの転換を迫られる京王電鉄が、新型2000系と大型フリースペースで新需要の開拓に踏み出した。

通勤客の先細りと新規需要の掘り起こし

京王電鉄の新型車両「2000系」の大型窓(画像:菅原康晴)
京王電鉄の新型車両「2000系」の大型窓(画像:菅原康晴)

 同社が公式サイトで公表している2015(平成27)年度以降の年度別輸送人員の推移を見ると、ピークは2018年度の6億7800万人で、内訳は定期4億300万人、定期外2億6800万人だった。

 2019年度にやや減少し、2020年度はコロナ禍の影響で4億5100万人(定期2億7000万人、定期外1億8100万人)まで落ち込んだ。その後は回復基調にあるものの、2024年度は5億9,300万人(定期3億2800万人、定期外2億6500万人)にとどまり、2018年度比で87%の水準にある。

 一方、旅客運輸収入は2017年度の825億円がピークで、2024年度は814億円(1.3%減)となった。この間、28年ぶりに運賃を引き上げたこともあり、収入ベースではコロナ禍前の水準にほぼ並び、ピーク比99%まで回復している。利用者数は戻らない一方、単価で補っている構図だ。

 同社を含む大手私鉄はこれまで、郊外から都心へ向かう通勤輸送を主な収益源としてきた。多くのローカル線が人口減少やモータリゼーションの影響で低迷するなか、大都市圏では通勤人口が増え続け、鉄道事業は長らく安定収益が見込めるビジネスとされてきた。しかし足元では、

・団塊世代の大量退職による通勤需要の縮小
・コロナ禍を機に定着したリモートワークの影響

もあり、中長期的な利用者減少が現実味を帯びている。従来の通勤依存モデルは転換を迫られている。

 こうした環境下で同社が新型車両「2000系」に設けたひだまりスペースは、車いすやベビーカー利用者など、これまで鉄道利用にハードルを感じていた層の取り込みを狙った施策といえる。同時に、

「沿線への子育て世帯の呼び込み」

という側面もある。ベビーカーの利用者はやがて通学客となり、将来の通勤客へとつながるためだ。

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