BEV・PHEV・FCEV 結局どれが「使える」のか? 電動走行距離と価格帯から違いを探る

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欧州議会が発行した文献を題材として「自動車分野の未来」を概観するシリーズ企画。第2回は、世界市場の趨勢と併せてEVの種類別の特徴を考える。

欧州バッテリー産業の育成

 バッテリーは2020年時点で総コストのおよそ40%を占めるBEV最大の高額部品だ。2021年には中国のEVバッテリー世界シェアは77%となり、アジアから世界最大の製造業が誕生した。

 2022年現在公表されている投資額に基づく欧州の生産能力(中国など外資系の欧州工場が多い)は2030年なでに世界の総供給能力の20~25%まで強化され、欧州の需要を十分に満たすと期待される。

 現状のリチウムLiイオン電池に置き換わることが期待される全固体電池の技術開発は、スウェーデンの電池企業ノースボルトがVW、BMWやボルボと共同で市場の25%のシェア獲得を目指し、VW、ステランティスとルノーはおのおの独自に内製もしくは合弁でバッテリー製造を行う計画を公表している。

電動化で変わる製造

 エンジン車は1台当たり約1万2000の部品で構成され、BEVの部品はそれより数百点少ない。また、一般的にBEV用部品は機械加工の要求精度は緩く、鋳造法案も簡単で、必要な作業時間はエンジン車より15~30%短い。

 エンジン車1台当たりの構成部品の約31%を占めるエンジン及およトランスミッション関連部品は、BEVには全く存在しない。代わりに電気モーター、バッテリーパックと電力変換と制御機器であるパワーエレクトロニクスが追加される。これは、自動車産業が必要とするサプライヤー群が今後完全に入れ替わることを意味し、その時期は

(1)電動車の採用時期
(2)エンジンも使用するPHEVとBEVの比率
(3)OEMが自社で部品製造をする範囲

に大きく依存する。

 1次サプライヤーは規模を縮小し、電力変換と制御の技術であるパワーエレクトロニクスに特化した新分野で新たな企業に敗れるかもしれないし、技術転換に成功して新分野で高い成長を実現するかもしれない。自動車部品供給網サプライチェーンのバリューチェーン価値創造の構造において、大規模な変化が予想される。

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