私鉄vsJR西日本 4月デビュー「あをによし」は因縁の関西鉄道戦争を制することができるか?

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近鉄の「19200系あをによし」が2022年4月29日にデビューした。乗客の視点にたった車両づくりが特徴的だ。

京都への観光客も想定

京都~近鉄奈良間の特急は、汎用型の車両を中心に23000系伊勢志摩ライナー、30000系ビスタEXが充当されている(画像:岸田法眼)
京都~近鉄奈良間の特急は、汎用型の車両を中心に23000系伊勢志摩ライナー、30000系ビスタEXが充当されている(画像:岸田法眼)

 先述した大阪難波~京都間、近鉄奈良経由の列車が1往復存在するのは、大阪方面から近鉄奈良へ向かう旅行客、観光客を想定しているからだ。もうひとつは旅行客、観光客が大阪のミナミ(なんば、道頓堀、千日前周辺の繁華街)に宿泊し、次の日に京都観光する利用客も想定しているという。

 あをによしの大阪難波~京都間は80~90分かかり、

・運賃960円
・特急料金790円
・特別車両料金210円

の計1960円(運賃等はすべて大人用。注:ツインシートひとり利用の場合は、上記のほか、子供用の特急料金、特別車両料金が加算される)を要する。

 とはいえ、なんば~京都方面間はOsaka Metro御堂筋線と他社線の乗り継ぎ客が多いので、ダイレクトで結ぶあをによしはゆったりとくつろげる。“時間を楽しむ旅”と言えるだろう。

 福田課長は「乗ること自体が目的になるあをによしは、“魅力たっぷりの電車”なので、それ(大阪難波~京都間)に乗ってもらえる可能性があると思っています。ぜひ楽しんでもらいたいと思っています」と意気込む。

 メインの運転区間となる京都~近鉄奈良間は2往復設定された。福田課長によると、「関西方面の観光の玄関口は、東海道新幹線が止まる京都が玄関口だと認識しています」という。近鉄の京都駅は奈良、橿原神宮、吉野などへの玄関口である。また、三重県の鳥羽、賢島へダイレクトで結ぶ特急も運転されており、ポテンシャルの高い駅と言える。

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