「GT-Rの栄光は過去の遺産なのか」 フォーミュラEで磨く、日産の技術哲学と量産車への還元【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(10)

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日産はGT-Rの連覇からフォーミュラEまで、モータースポーツで得た技術を量産EVに応用してきた。電動化と国際競争の逆風下で、走りを通じた技術革新がブランドと開発力の両輪を支えている。

モータースポーツの原点回帰

日産自動車のロゴマーク(画像:時事)
日産自動車のロゴマーク(画像:時事)

 かつて世界を席巻した日産は、今また大きな岐路に立っている。EVシフトの遅れ、米中市場での苦戦、巨額赤字――逆風は強い。しかし新型リーフやマイクラEVの投入、ハイブリッド戦略、生産体制の再構築など、未来への挑戦は止まらない。 本リレー連載「頑張っちゃえ NISSAN」では、厳しい現実と並走しながらも改革を進める日産の姿を考える。

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 日産というブランドを語るうえで欠かせないのは、「走り」と「技術」である。単に速さを追求するのではなく、走りを通じて技術を磨き、その成果を次世代の量産車に還元する思想が日産の核にある。近年、電動化やコネクテッド戦略が注目されるなかでも、同社がモータースポーツに注力する背景には、この原点回帰の意志がある。走りを極め、技術を磨く哲学を再確認することで、次の時代に通用する日産を築こうとしているのである。

 この哲学は、国内外のレースで幾多の栄光を手にしてきた歴史に根ざす。スカイラインGT-RがグループAで連覇を重ねた1990年代初頭、日産はエンジン、駆動系、空力など全領域で革新を起こした。ル・マン24時間レースでは、耐久技術、軽量化、燃費制御など量産車開発に直結する知見を積み上げた。

 21世紀に入ると、フォーミュラE参戦により電動化技術を磨き、モータースポーツを新しい次元に押し上げている。走ることで学び、磨くことで進化する。この理念が、日産の技術哲学の根幹にある。

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