タクシー運転手の「タメ口」許される? 会社へ苦情で厳重注意、車内接客の実情に迫る

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「乗客へのため口」について。

乗客との会話の難しさとは

街中を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街中を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 女性たちは、今ほどタクシー運転手の振る舞いが厳しく指導されていなかった時代、乗車の際に横柄な態度を取られて嫌な思いをしたり、辟易したりした経験があるのではないか。

 知り合いの女性も若い頃、終電後のターミナル駅から千数百円ほどの距離にある自宅までと告げたとたん「そんな近いところ乗せられないよ」と乗車拒否に遭った経験があると聞かせてくれた。

 男性客には敬語で話すのに女性客にはため口、という運転手も、かつては一定程度いたようだ。

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 乗客に対する態度は言わずもがな、慎重であるのに越したことはない。みずから積極的に話しかける運転手も、昨今は減っているのではないだろうか。

 ただ個人タクシーを中心に、自身の珍しい体験談を面白おかしく披露する運転手もいて、乗客にとって楽しい時間となることもある。

 たまたま居合わせた飲み屋さんで隣り合った者同士が、一期一会の会話に花を咲かせるようなものだろうか。打ち解けた空気が広がれば、多少のため口が混ざってもケースバイケースで許されるのかもしれない。

 ただし、そのような空気をどの運転手もが常に作れるわけではない。独りよがりな態度は言うまでもなく相手を不快にさせてしまう。接客業の難しさがそこにはある。

※記事中に登場するエピソードは、プライバシーに配慮し一部編集、加工しています。

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