タクシー運転手の「タメ口」許される? 会社へ苦情で厳重注意、車内接客の実情に迫る

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「乗客へのため口」について。

乗車拒否なら さらに重い処分が

街中を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街中を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 通報のあった勤務明け、疲労した状況で半日以上は、ドライブレコーダーを基にして始末書を取られる。こんこんと説教をされる。

 これが悪質な乗車拒否や途中降車ともなれば、クビも覚悟した方がいい。

 無事故表彰やタクシー歴がいくら長くても接客業としてアウトだろう。

 タクシー運転手にとって特に大事な客というと、支払額が大きくなる長距離客と思われがちだが、実は違う。近場の利用者ほど、毎日のように乗ってくれる大切なお客さんだ。

 もちろん乗客に優劣など付けはしない。それでも「目的地が近いから」といって不機嫌になるのは、思い違いも甚だしい。

女性客からのクレームが多い理由

 タクシーに関して苦情を入れるケースが多い乗客はどのような属性か。

 筆者の実体験や同僚たちへの聞き取りでは、若い女性からのものが多いという印象だ。

 先日はこのようなことがあった。東京随一の繁華街を抱える一角でのこと。大通りを右折したところで若い女性が手を上げた。

「お客さん、どちらまで」

 すると、行き先を指示せず「真っ直ぐ行って」とだけ告げ、女性はスマートフォンとにらめっこしている。

「真っ直ぐというのは、どの辺りまで真っ直ぐでしょうか?」
「いいから真っすぐ行ってよ」

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