トヨタ「逆輸入」に現実味――大本命はカムリ? 関税15%で揺れる国内セダン市場とは
日米関税交渉の決着

日米の自動車関税交渉は、約100日間にわたった議論の末、2025年7月下旬に決着した。自動車分野の追加関税は25%から15%に引き下げられた。これに対し、日本政府は米国が非関税障壁として指摘する安全基準の手続き簡素化に応じる見通しだ。合意文書にも盛り込まれ、今後、日本市場は米国車にさらに開かれることになる。
国土交通省は、国連基準と同等の安全性を満たす米国生産車について、追加試験を省略する可能性を検討している。日米の自動車認証制度の緩和が進めば、輸入車への非関税障壁も軽減される見込みだ。
この合意を受け、トヨタ自動車は米国生産車の日本向け輸入に意欲を示す。さらに、全国4000店舗以上の販売網を米国車の販売に活用する可能性もある。
こうした動きのなかで、2025年11月15日から16日に開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」で、トヨタは米国生産の
・タンドラ
・ハイランダー
・カムリ
の3車種を展示した。日本未発売モデルを展示し、市場の反応を探る狙いがあったとみられる。業界では、この動きに対しさまざまな見解が広がっている。
展示された3車種のうち、特に注目を集めたのはカムリである。ネット上では、タンドラやハイランダーは日本の道路事情に合わず、敬遠される声が多かった。
日本市場におけるセダン需要は縮小傾向にある。軽自動車を除く乗用車販売に占める割合は1割未満で、販売車種も年々減少している。一方、米国ではミッドサイズセダンが安定した売れ筋で、年間100万台以上の販売を誇る。なかでもカムリは、20年以上にわたりトップセールスを維持している。近年はハイブリッドモデルの人気も高く、年間30万台程度を販売している。
米国生産車の「逆輸入」を成立させるには、
・認証制度の緩和
・左ハンドル運用の容認
・販売店のメンテナンス体制確保
が欠かせない。トヨタはクラウンのラインナップ拡充や、カローラ・アクシオなどFF系セダンの廃止で国内販売の再編を進めている。国内でセダンの空白が生まれる中、カムリがその穴を埋める最適解になるとの見方もある。