「残クレで車を買う人は情弱」と考える人こそ、本当の「情弱」である【リレー連載】ビーフという作法(7)

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週刊SPAが報じた「残クレ = 情弱」論は表面的な金利比較に偏る。車両平均価格264万円、高額モデル増額は30万円超、月々負担平準化の残クレは家計設計と乗り換え自由度を両立する現代的金融手段だ。

批判点4「所有の美徳依存型思考」

 社会構造の観点から見ると、残クレ批判は所有の美徳に基づく旧来の価値観に依存している。車の平均保有期間は7.2年で、10年以上保有するケースは全体の2割強を占める。新車の平均保有期間は7.7年で、中古車よりも1.5年長い。この傾向は、従来型の長期保有モデルを前提にした価値観に根ざしている。

 しかし、技術革新のスピードはかつてないほど速く、車両の陳腐化も加速している。スマートフォンの買い替えと同じように、短期間で車を乗り換え、最新技術や安全装備を活用したいユーザー層も増えている。こうした層にとって、車はもはや長期保有資産ではなく、

「短期利用財」

である。残クレはこの現実に対応した合理的な金融商品として機能している。

「所有 = 資産」
「完済 = 正義」

という従来型の価値観は、リセール市場の変化、電気自動車(EV)への移行、税制改定などの現実には必ずしも適合しない。残クレを借金の象徴とみなす人ほど、

「減価償却の概念」

を理解していない。車は使用開始時点で2~3割の価値を失うが、その損失を可視化し、分割して管理できる点が残クレの本質である。

 短期利用を前提にした車の所有モデルは、消費者の柔軟な選択と市場の効率性を両立させる設計である。残クレをローン商品として否定する批判は、現代の消費構造や技術進化の速度を無視したものに過ぎないのだ。

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