「残クレで車を買う人は情弱」と考える人こそ、本当の「情弱」である【リレー連載】ビーフという作法(7)

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週刊SPAが報じた「残クレ = 情弱」論は表面的な金利比較に偏る。車両平均価格264万円、高額モデル増額は30万円超、月々負担平準化の残クレは家計設計と乗り換え自由度を両立する現代的金融手段だ。

批判点2「リスク分散型営業・在庫戦略」

 残クレは、リセールバリューと中古車在庫の管理を可能にし、ディーラーにとって

「リスク分散の手段」

として機能する。新車価格が高止まりする状況下では、顧客は高額モデルを手に入れやすくなるため、販売機会の拡大にもつながる。

 契約期間終了後には、一定の品質を保った中古車を確保できる利点がある。再販による収益はディーラーの事業基盤を支え、

「認定中古車やサブブランド事業の安定化」

にも寄与する。さらに、残クレ契約者による再契約や乗り換えは、長期顧客化を促す仕組みの一部としても重要だ。

 加えて、消費者の購買心理にも影響を与える。初期負担や月々の支払いの平準化により、購入意欲を損なわずに高額モデルへのアクセスを可能にする。結果として、販売と在庫管理の両面で、ディーラーはより柔軟で効率的な営業戦略を展開できる。

 流通の効率化や中古車市場の循環を支える構造的な役割も果たしている。市場全体の安定性や消費者の選択肢の拡大に寄与する点も加味すると、その意義は単純な金利比較では測れない。

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