「残クレで車を買う人は情弱」と考える人こそ、本当の「情弱」である【リレー連載】ビーフという作法(7)

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週刊SPAが報じた「残クレ = 情弱」論は表面的な金利比較に偏る。車両平均価格264万円、高額モデル増額は30万円超、月々負担平準化の残クレは家計設計と乗り換え自由度を両立する現代的金融手段だ。

車両価格高騰と家計負担の現実

「残クレ = 損」
「残クレ利用者 = 情弱」

といった短絡的な見方は、金利比較だけに注目した狭い視点に基づいている。残クレは、

・車両の資産価値の下落リスクを可視化しつつ
・家計の可処分所得(自由に使える所得)を平準化する

金融手段である。この点が無視されていることは、消費者が自らの生活設計と購入戦略を結びつけて考える力の不足を示している。

 一方で、車両価格は高止まりが続き、購入者の負担は年々増加している。日本自動車工業会「乗用車市場動向調査(2023年度)」によれば、車両平均購入価格は264万円で、2017年度以降の上昇傾向は続いている。購入者の約8割が価格上昇を実感しており、当初の予算からの増額は30万円以上が43%にのぼる。高額モデルほど増額幅が大きく、家計の圧迫は無視できない。

 月々の支払いを平準化できる残クレは、リスク管理型の戦略として進化してきた側面がある。銀行ローンを「情強(情報強者)の選択」とする見解も、

・資金拘束や審査の厳しさ
・変動金利リスク
・将来の返済額の不確実性

といった現実の負担を見落としている。市場構造や家計の柔軟性を考慮しなければ、真の合理性は見えてこない。正しく理解すれば、

「誰が経済的に合理的な消費者であるか」

が明確になる。記事では利用者の金融リテラシー不足に注目しているが、実際には

・消費者の生活設計
・車の利用目的
・乗り換えサイクル

など多角的な要素も加味する必要がある。

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