埼玉「住める北斗星」に問合せ殺到? 開業直後150件超、なぜ“賃貸住宅”なのか

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2025年7月、さいたま新都心駅直結の複合住宅「ekism」が開業。50戸の賃貸住宅に加え、寝台特急「北斗星」を再現した限定2戸のコンセプトルームには開業直後に150件超の問い合わせが殺到し、鉄道文化と都市ブランドが交差する新たな地域価値を示している。

北斗星ルームの賃貸戦略

「北斗星ルーム」の完成イメージ(画像:ジェイアール東日本都市開発)
「北斗星ルーム」の完成イメージ(画像:ジェイアール東日本都市開発)

「ekism さいたま新都心」に設けられた「北斗星ルーム」は、扉や照明、ベッド架台など、実際の寝台特急「北斗星」で使用されていた什器や設備を備えており、寝具やリネン、カーテンは当時の雰囲気を再現した特注品で整えられている。居室内はアール天井やカーペット敷、埋め込み式テレビの設置によって、当時の客車の空間を忠実に再現しており、高層階からはかつて列車が走行していた風景を見下ろすこともできる。

 ジェイアール東日本都市開発は以前、訪日外国人向けに寝台列車の備品を活用した「トレインホステル北斗星」を開発しており、今回もそのときの什器が活用されている。北海道には「北斗星スクエア」のような宿泊施設もあるが、居住型として提供する場合は事情が異なる。

 宿泊施設では日々入れ替わる利用者にともなう消耗が早く、清掃や人件費、予約管理の負担も大きくなる。一方、賃貸住宅であれば、入居者が固定されることで設備の維持計画を立てやすく、長期的な管理や収益の安定につながる。

 また、鉄道遺産としてのブランド価値を保持し続けることにも有利だ。実際、「トレインホステル北斗星」は2021年に営業を休止しており、コロナ禍などの社会情勢が事業の継続に影響を与えたことも要因のひとつとされている。

 こうした背景を踏まえると、北斗星ルームを賃貸住宅として提供する判断は、住宅ブランドの差別化だけでなく、

・鉄道文化の保存
・地域資産としての価値維持
・安定した運営

を両立させる戦略的な選択であることがうかがえる。居住者にとっては、鉄道遺産を身近に体験できる空間でありながら、日常生活の場として活用できる点も大きな魅力となる。

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