プリウスもノアも同じ骨格? トヨタ「TNGA」が実現する千変万化の戦略、EV市場で「多様化と効率」を両立か
車種・用途の柔軟展開

プリウスからノアまで――一見、用途もデザインも異なるトヨタの車たちの「骨格」は、実は共通のプラットフォームを用いている。TNGA(Toyota New Global Architecture)は、共通化と多様化を両立させ、膨大な生産規模を支える経営の基盤となっている。その柔軟な構造思想こそ、トヨタの強さを裏側で支えている。
TNGAは2012(平成24)年に発表され、トヨタ全社を挙げたグローバルなクルマづくりの構造改革を象徴する設計思想である。具体的には、車種を横断したプラットフォームやエンジンを共通化する取り組みだ。世界各地の
・市場
・法規制
・ユーザーの嗜好
の違いに柔軟に対応しつつ、開発・生産コストを最適化することを目的としている。
代表的な例が、Cセグメント向けのGA-Cプラットフォームだ。「プリウス」「カローラ」「C-HR」「レクサスUX」さらには「ノア・ヴォクシー」と、ボディータイプも市場ターゲットも異なる車種群を生み出すことができる。外観や用途は大きく異なるが、車両の基本骨格は共通である。
この共通骨格をベースに、サスペンションや重心位置、電子制御などを車種ごとに最適化することで、乗り味や走行特性を多様化できる点もTNGAの特徴だ。さらに、地域ごとの法規制や道路環境に応じてボディーサイズや装備を調整することも可能で、欧州向けのハッチバック、日本向けのセダン、中国向けのロングホイールベース仕様といった形で市場ごとのニーズに応えることができる。
こうした柔軟性により、同じプラットフォームから多様な車種を展開しつつ、各車種のブランドアイデンティティーやユーザー体験を保つことが可能となる。TNGAは、構造共通化ではなく、グローバル戦略と車づくりの両面で、トヨタの競争力を支える仕組みとなっている。