地方交通の雄「イーグルバス」 埼玉県で不採算路線に挑戦、弱者ケアも欠かさない公共交通の矜持とは

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埼玉県川越市に本社を置くイーグルバス。不採算路線に挑む姿勢の裏にあるものとは。

本社は川越市

イーグルバス(画像:写真AC)
イーグルバス(画像:写真AC)

 多くの地方のバス会社が経営難に陥っているなか、北海道の中東部にある帯広市に本社を置き、路線バスを中心に、都市間バス、福祉ハイヤー事業などを手掛けている十勝バスの健闘について、前回書いた。

 今回は、埼玉県中部の川越市に本社を構える乗り合いバス・貸し切りバス会社「イーグルバス」に注目したい。

 同社が乗り合いバス事業を始めたのは21世紀になってから。多くのバス会社が利用者の減少で苦しんでいる時代にわざわざ参入を決めた。以来、運行路線を拡大しているのだ。

2004年、路線バス事業に参入

イーグルバスのウェブサイト(画像:イーグルバス)
イーグルバスのウェブサイト(画像:イーグルバス)

 イーグルバスの源流は、1950(昭和25)年設立の「イーグルトラベル」で、バス会社としてのイーグルバスの設立は1980年のことだ。1995(平成7)年に川越市内を循環する「小江戸巡回バス」の運行を始めているが、それまでは観光バスや企業・学校の送迎がメインだった。

 同社は2004年、都幾川村営バス(現・ときがわ町路線バス)を受託し、路線バス事業に参入。その後、2006年4月に日高市と飯能市を結ぶ路線を引き継ぎ、注目された。

 この路線は国際興業が1995年まで、西武バスが2004年3月まで運行していた。いわば、大手が不採算を理由に撤退を決めた路線を、イーグルバスのような中小バス会社が引き継いだという格好だ。このようなケースは、全国でもほとんど見られない。

 当時、道路運送法が改正されて路線バスの新規参入が容易になったため、各地でバス路線の廃止と新規事業者参入が相次いでいた。とりわけ埼玉県は参入が多い激戦区になっていた。

 県南東部に位置し東京に隣接する三郷市では、人口増に対してバス路線網の整備が遅れていたが、2002年には3社が新規路線を設ける激戦区となっている。他方、道路運送法の改正では、不採算路線の廃止が認可制から届け出制(半年前まで)になったため、需要の見込めない不採算路線は廃止される危機もあった。

 実際には急激な廃止は起きなかったが、法改正を前に国際興業が2001年に新会社「さいたま国際バス」を設立。2003年には東武バスがエリアごとの分社化を実施し、合理化を進める動きが進んだ(『読売新聞』2003年1月25日付朝刊)。