絶対王者のホンダに暗雲? ベトナムの「バイク規制」「市場飽和」がもたらす行く末とは

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飽和状態に近づくベトナムのバイク市場。現在、自動車メーカーや安価な電動バイク製造メーカーが急速にシェアを拡大している。

ホンダの命運は市場の掘り起こし

大勢のバイクが通るベトナムの町(画像:写真AC)
大勢のバイクが通るベトナムの町(画像:写真AC)

 さらに近年は、国内外の電動バイク製造メーカーが急速にシェアを拡大している。ベトナム初の自動車メーカー「ビンファスト」や、ベトナム電動バイクメーカー「ペガ」などが安価な新製品を発表し、電気バイク市場に参入してきているのだ。

 現在、バイクはベトナム人の月収の数十倍もする高級品であり、いざというときは売って現金化できる「資産」でもある。しかし今後、大都市でのバイク規制が本格化すれば、資産価値として保有する魅力が低下し、その結果、バイク購入見込み客が安価な電動バイクへ流れることも予想される。

 加えて、ベトナムではバイク市場が飽和状態に近づいている。

 ベトナムバイクメーカー協会(VAMM)の発表によれば、2019年以降バイク販売台数は減少を続けている。ベトナムは毎年、国内総生産(GDP)が成長を続けており、この10年で国民の所得が約3倍となった。中国など他の経済発展した国がそうであったように、ベトナムでも

・自転車 → バイク → 自動車

へとシフトする流れをたどっている。

 このような状況の中、四半世紀に渡ってベトナム人の足となってきたホンダも、限定版高級スクーターや富裕層向けの100万円以上する大型バイク販売など、ニッチな高級路線開拓などの新たな戦略を打ち出している。ベ

 トナム経済の発展と2030年のバイク規制に対して起こりうるバイク離れの流れに対して、どのように市場を掘り起こしていくかでホンダの命運が分かれるだろう。今後の動向が注目される。

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