フェラーリ初の4ドアは「迎合」か伝統回帰か? 75年の矜持と急成長SUV市場のせめぎ合い

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世界のSUV市場は2033年に8328億ドル規模へ拡大が予測される。その巨大潮流に挑むべく、フェラーリは2022年に初の4ドア「プロサングエ」を投入した。市場への迎合か伝統の継承か――揺れるブランドの矜持を読み解く。

SUV時代に挑むフェラーリの異端児

Ferrari Purosangue(画像:Ferrari)
Ferrari Purosangue(画像:Ferrari)

 市場への迎合か、それとも伝統への回帰か――。フェラーリが初めて世に送り出した4ドアモデル「プロサングエ」は、巨大化するスポーツタイプ多目的車(SUV)市場への屈服と見る向きもある。しかしフェラーリ自身は、この創業80年の異端児を「サラブレッド」と呼ぶ。その名に込めた矜持は何か。

 2022年、フェラーリは75年の歴史で初めて4ドア4シーターを発表した。その名は「プロサングエ」。イタリア語で

「純血種」

を意味する。一見SUVに近い姿を持ちながら、この車はなぜ生まれたのか。

 2011年、当時のフィアットCEOセルジオ・マルキオンネは「フェラーリはSUVを作らない」といい切った。それ以降、フェラーリはスポーツカーやレーシングカーといった伝統的な領域を守り続けてきた。

 しかし2022年、世界の自動車販売の約3割を占めるまでに拡大したSUV市場は、もはや無視できない存在となっていた。需要の拡大は、どの高級車メーカーにとっても避けて通れない課題となったのである。

 ポルシェ、ランボルギーニ、アストンマーティンといった競合ブランドも次々とSUVを投入し、巨大市場での存在感を強めていた。では、フェラーリは市場に迎合しただけなのか。それとも独自の論理を貫いたのか。他社の事例を踏まえながら、その真意を探っていく。

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