燃料電池車シェアわずか0.03%――「水素」は本当に未来を変えるのか? 福岡市のロードマップを再考する
福岡市は公用車に燃料電池車を導入し、水素社会の先行モデルを構築する。国内外で市場拡大する水素は、2030年までにコスト3分の1削減を目指し、都市インフラや災害対応にも活用可能と期待される。
福岡の水素都市戦略

福岡市は水素の活用に積極的な自治体として、「水素リーダー都市プロジェクト」を進め、水素社会の実現を目指している。2015年には九州大学と民間企業と連携し、世界初の水素ステーションを設置した。実証実験を経て、2022年8月には官民共同で商用運営を開始したが、現在は2026年5月まで休業中である。
この施設では、市民の生活排水を下水処理する過程で発生するバイオガスから水素を生成し、FCVに供給する仕組みだ。福岡市内では1日あたり約40万人分の下水を処理しており、水素は1日3300立方メートルの生産・貯蔵が可能である。
さらに、2022年からトヨタと連携協定を結び、社会インフラや生活に欠かせない車両のFCV化を進めている。福岡市職員や事業者からの現場の声を性能改善に反映させる取り組みも行われている。導入した燃料電池搭載の救急車やゴミ収集車は、エンジンを搭載せず走行音が静かで、二酸化炭素を排出しない。救急隊員からは、従来の救急車より静かで乗り心地がいいとの声が多いという。また、福岡市では夜間にゴミ収集を行うため、騒音の少ないFCVとの相性が高い。
加えて、公用車や商用車は同じルートを繰り返し走ることが多く、ステーションの効率的な設置や水素補給の最適化にもつながることが期待されている。